慢性腎臓病(CKD)
専門外来のご案内

腎代替療法専門指導士
CAPD指導認定看護師
京都府糖尿病療養指導士修士
当外来は、透析看護認定看護師が慢性腎臓病の患者様とそのご家族に対して、腎臓病の相談窓口として開設している外来となります。
慢性腎臓病は全国で成人の7人に1人(約1480万人の方)が罹っていると言われており新たな国民病となりつつあります。この腎臓病ですが、自覚症状が少なく進行すると腎不全の状態となり人工透析・移植が必要になるだけではなく、また心血管合併症(心筋梗塞や脳梗塞、脳出血)のリスクが上昇すると言われています。
本外来は慢性腎臓病の患者様に対して、透析を予防すること、また慢性腎臓病にならないようにすることを目的とした外来です。さらに、病気についての相談窓口はもちろんのこと腎代替療法(透析・移植)の種類や選択についても相談して頂ける外来です。
本外来の特色として、一般的な情報提供ではなく、患者様とそのご家族の生活や個別性に合わせて、お話を聴きながら進めさせていただきます。
食事指導
腎臓病ではステージによって食事内容が変化します。患者様にとっての最善の食事指導をさせて頂きます。
内服指導
進行を食い止めるためには内服も正しく行う事が必要です。人によって合う・合わないがありますのでその選択のお手伝いを致します。
腎代替療法選択支援
腎代替療法には人工透析・腹膜透析・腎移植など多様な形があります。
患者様の年齢やライフスタイル(趣味・好きな食べ物・これからしたいこと・続けたいこと)を聴きながら、どの治療がご本人やご家族の今後の人生・生活に良いかを一緒に考えます。
ただし、過去の手術歴や病態等によりご希望の療法選択が難しい場合もあり、一緒に相談しながら選択の支援を行います。
その他様々な相談
専任看護師が常駐しておりますので、困り事がある場合はいつでもご連絡ください。
透析治療が必要とならないためにクリニックが全力でサポート致します。
当外来は、透析看護認定看護師が糖尿病性腎症の患者様とそのご家族に対して、透析予防の相談窓口として開設している外来となります。
日本では、毎年4万人弱の患者さんが透析を導入されています。この原因になっている疾患の4割以上が糖尿病です。糖尿病の療養している患者さんは、血糖コントロールだけではなく、腎臓にも注意をして頂けると良いと思います。透析を予防し、より良い人(腎)生を過ごして頂けることを願っております。
指導内容は慢性腎臓病(CKD)専門外来に準じます。
腎代替療法外来とは?
腎代替療法は腎臓が機能(しごと)をしなくなった時に、腎臓の代わりをする治療のことを言います。
腎代替療法には、透析と腎移植があります。また、透析には血液透析と腹膜透析があります。腎代替療法は3つの選択肢があります。



腎代替療法の治療の違いについて
比較項目 | 血液透析 | 腹膜透析 | 腎移植 |
---|---|---|---|
食事・飲水の 制限 |
多い (蛋白・水・塩分・カリウム・リン) |
やや多い (水・塩分・リン) |
少ない |
必要な手術・ 入院期間 |
バスキュラーアクセス/シャント (通常、局所麻酔) 入院期間は他の治療法に比べ短い |
腹膜透析カテーテル挿入(全身麻酔) 導入準備を含めると2〜4週間程度 |
腎移植術 (大規模手術・全身麻酔) 入院期間は、最短で2週間程度と言われていますが、詳細は基幹病院で聞いて頂くのがベスト |
通院回数 | 週3回 | 月に1〜2回 | 月に1回 |
旅行・出張 | 透析施設を確保すれば確保 | 透析液・装置の準備 | 自由 |
スポーツ | 自由 |
|
移植部保護以外自由 |
入浴 | 透析後はシャワーが望ましい | 腹膜カテーテルの保護必要 | 問題なし |
メリット | 医学的ケアが常に提供される、最も日本で実績のある治療法 | 血液透析に比べ自由度が高い 体の負担が少ない(高齢者や心機能が低い患者にも良いとされている) |
透析による束縛からの精神的・肉体的解放 |
デメリット |
バスキュラーアクセスの問題(閉塞・感染・出血・穿刺・ブラッドアクセス作成困難) 除水による血圧低下 |
腹部症状(腹が張る等) カテーテル感染・異常・腹膜炎の可能性 蛋白の透析液への喪失 腹膜透析腔としての年限がある(10年位) 単独行う必要がある |
免疫抑制剤の副作用 拒絶反応などによる腎機能障害・透析再導入の可能性 移植腎喪失の不安 |
腎代替療法の選択どうしたら良い?
どれも良い所もあれば悪い所もある・・・
腎代替療法は、生活に密接に関係がある治療になります。また生涯続きます。医師を始めとした医療従事者が説明を行いますが、患者本人・家族で選択するのは難しいと思います。そこで、正峰会クリニックでは透析・腎代替療法(透析看護認定看護師・腎代替療法専門指導士・CAPD指導認定看護師)の専門資格を持った看護師が患者本人・ご家族と共に話し合いながら一緒に治療法の選択をお手伝い(協働意思決定支援)します。医師からの説明後、看護師が患者様の思い、生活状況や生きがいなど様々なことを聴きながら、その患者様に合った治療法を一緒に考えます。また、悩みや疑問などにも丁寧に答えていき、患者様・ご家族が納得できる治療法の選択ができるように支援していきます。
今まで、300人を越える患者様・ご家族の方へ腎代替療法の説明をさせて頂きました。それぞれ生活も考え方も、希望も違いますが、患者様・ご家族が望まれることを聴きながら、腎代替療法が生活に加わっても希望や望む生活が叶うように支援してきました。
全て望みを叶えることは難しいですが、患者様・ご家族が納得できる方法を一緒に考えていくことで、納得して腎代替療法を開始されています。勿論、腎代替療法が開始後もフォローしていきます。

腎代替療法専門指導士CAPD
指導認定看護師
腹膜透析とは(家でできる透析)

腹膜透析(PD:Peritoneal Dialysisの略称)は、お腹の中に透析液を入れ、腹膜を使って透析(老廃物や水分の除去)を行う治療です。お腹の中に入れる透析液の量は約1.5~2リットル程度で、これを1日に4回程度行います(患者様の身体状況や希望に合わせて、回数を相談することも可能です)。ご自身の腹膜を使って行う透析で、血圧の変動も少なく、体に優しい治療と言われています。そのため、高齢者に向いています。また、血液透析は週に3回の通院が必要ですが、PDでは、月に1回の通院で管理されるので、時間を有効に使えるため、自分の生活スタイルにあわせて行うことができる透析療法と言えます。さらに、血液透析にくらべて残された腎臓の働きをまもることができるという利点もあります。一般的に、腹膜透析から透析療法をはじめる“PD(腹膜透析)ファースト“が勧められています。
腹膜透析(PD)の種類
PDには、CAPD(持続携帯式腹膜透析)とAPD(自動腹膜透析)があります。CAPDは朝、昼、夕、寝る前の4回程度、透析液のバッグの交換が必要で、バッグの交換には1回30分程度かかります。APDは寝ている間に機械が自動的に透析をしてくれるもので、日中はバッグ交換を行わなくても良いというメリットがあります。
CAPDの場合は4回程度の交換と記載はしておりますが、患者様の身体状況と生活上の希望を聴きながら、PDの専門看護師と医師が相談にのれることもPDのメリットの一つと言えます。

